2012年選抜総選挙「皆さんが松村香織を証明してくださった」

「第34位 得票数 9千とび30票」

・・・司会の徳光和夫氏の声が会場に響く。

 

「SKE48」

・・・観客席から歓声があがる。

 

「研究生」

・・・歓声がいっそう大きくなる!

 

そのとき、SKE48研究生は一斉に右を振り向いた。

他のメンバーもファンもあるメンバーのランクインを確信する。後ろから二列目、上手の最も端に座っていた人物である。

その席はSKE48正規メンバーの座席とは真逆に位置していた。その位置関係も一つ象徴していたかもしれない。

 

彼女は名前を呼ばれると手で口を覆い、立ち上がって後ろを振り返り観客席へ深々とお辞儀をする。そして、向き直って壇上へと上っていく。まさに苦労が報われようとする瞬間であった。

その人物こそ松村香織である。

 

これは2012年6月6日AKB48 27thシングル選抜総選挙のときの出来事・・・

研究生からの初ランクイン。

現在とは異なり、研究生の立場は正規メンバーとはっきり線引きされていた。
しかし、松村香織はそれを飛び越えてしまった。

当時研究生だった古畑奈和さんの6月17日のブログには次のように書かれている。

 

「 研究生だから無理とか

そういうのはないんだって

香織さんが証明してくださいました♪ 」

 

 

速報をうけて

さかのぼること5月23日。
AKB48劇場公演にて27thシングル選抜総選挙の速報結果が発表された。

39位 1194票 松村香織

このときの総選挙ではまだ劇場盤CDに投票券がついておらず、現在とは票数の重みがまったく異なる。

松村香織は速報結果を受け、その当日に更新したブログ の中で率直な気持ちを語っている。

 

「39位1194票

1票1票いろんな気持ちが

あるんですよね…

今まで入ったことなかったから

こんなに嬉しい気持ちになる

ことなんだって分からなかった

でも今年が勝負だって

自分の中では決めていたから

本当に嬉しいし

がんばろうって改めて

思いましたっ」

 

松村香織にとってこの総選挙も重要な意味を持っていた。

それまで一切のチャンスを与えらず干され続けていた。

本人は「実力が伴っていないから」と書いているが、そうではないことを示すためにランクインしなければならなかった。そのときの勢いを止めるわけにはいかなかった。

Google+ (ぐぐたす)における動画「1コメダ」の配信、週刊プレイボーイでの連載、秋元康氏から直々のコメントで販売が決定したハヤシライス。加えて、ぐぐたす選抜への大抜擢。2年半の活動の中でこれほどまで注目を浴びたことは一度もなかった。

 

「風向きが去年とは本当に違うみたいです…」

 

まさにチャンスをつかもうとしている。ぐぐたすでの活躍がいま目に見える形で現れようとしている。その手応えを速報から感じたようである。

 

「ぐぐたすはわたしの取り巻く環境を変えてくれたツールです」

 

ぐぐたすは松村香織の原点であり、今もなおぐぐたすを大事にしている理由である。

そのブログでは彼女自身の期待と不安を述べるとともに、続けてメンバーに対する思いも綴っている。

 

「これがきっかけでSKE48研究生のことを

ちょっとでも

気にかけていただけたらいいな…」

 

これは後々まで続く松村香織のSKE48研究生に対する愛情の表れである。

研究生への思いは6月4日のブログ にも語られており、その内容は壇上でのスピーチにもつながっていく。SKE48研究生という「チーム」にこだわり、メンバーの努力が報われることを誰よりも願っていた。

 

その一方、ファンに対しては「1コメダ」で語っている。

松村香織本人がぐぐたすで共有していたが、その内容は記事になっており、その記事の中で「1コメダ」の内容が引用されている。

「今回すごく思ったのは、AKBの『真夏のSound good!』の通常盤、劇場盤、SKEの『アイシテラブル!』の通常盤、劇場盤、発売日がほとんどかぶっていて、4つも負担があるんですよ。ファンの方々の金銭的な負担って本当にあると思うんです。その中でCDを何枚も買ってくださったりとか、投票もしてくださったりとか。ほんとに、生活を切り詰めてまで大丈夫なのかな、って凄く思ってて。私は本当に皆さんに無理して欲しくなくて…。そこまでしていろいろ尽くしてくださっていて、私は本当に返せているのかと、とても不安で…」

(メンズサイゾー http://www.menscyzo.com/2012/06/post_4139.html  )

今も変わらぬ総選挙の実態を当時から語っていた。
総選挙について、メンバー側からのファンに対する負い目が素直に明かされている。松村香織のスタンスのわかる場面だろう。

速報当日のブログは次のように締められている。

 

「みなさんが居てくれたから

みなさんがそばに居てくれたから

みなさんと一緒に

壇上に上がりたいです」

 

 

そして、壇上へ

さまざまな思いをもって迎えた2012年6月6日、総選挙当日。松村香織は34位で名前を呼ばれることになる。

まさにその後の活躍の第一歩が刻まれる瞬間であった。

そのときのスピーチは本人の6月18日のブログ に掲載されているのでぜひ読んでみてほしい。
彼女の思いのすべてがつまった素晴らしいスピーチであった。

また、壇上の34位の座席は中央前列にあり、今もなお総選挙の映像が使われるときに映りこむ絶妙なポジションであった。この総選挙であの位置に座れたことは松村香織の努力が引き寄せた賜物であったのかもしれない。

 

この総選挙でSKE48は大きく躍進を遂げ15人がランクインした。

選抜メンバー(1~16位)                     2人

アンダーガールズ(17~32位)           8人

ネクストガールズ(33~48位)           2人

フューチャーガールズ(48~64位)         3人

当時の様子は多くのメディアでも取り上げられている。その一部を紹介する。

①日刊SPA! http://nikkan-spa.jp/226041

②東スポ http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/15934/ (PC推奨)

①では松村香織がフレッシュなメンバーとして取り上げられている貴重な記事である。
②は松村香織のスピーチに涙する研究生の姿を写した写真も掲載されている。

 

最後に、松村香織のスピーチから引用して終わることにする。

 

「あきらめないで頑張ってきたということを

皆さんが松村香織を

証明してくださって

努力は本当に報われると思いました」

 


コラム は、有志の方々からの寄稿をもとに掲載しています。

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